住宅ローンを滞納し、競売申立になったらどうなるのでしょうか。

新築分譲マンションを、低金利ということもあって頭金なしで購入しましたが、
借入額が多かったことが原因で、住宅ローンを滞納し始めました。
その結果、しばらくして裁判所から、競売開始決定通知が届きました。
競売を申立てられると、どうなるのでしょうか。心配です。

 

住宅ローンを借りる場合、銀行から必ず担保として、
自分の家に抵当権を設定するよう求められます。

 

民法第369条第1項では、抵当権の内容について
「抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、
他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する」と規定されています。
つまり、抵当権設定者(借主)が債務を弁済できなくなった場合は、
抵当権者(銀行)は、抵当権を実行し、担保不動産を競売にかけて、債務返済に充てることになります。

 

具体的な競売手続きについては、別の民事執行法という法律等によります。
それでは、手続きの流れを見ていきましょう。

 

 

不動産競売手続きの流れ

①滞納

まず、銀行から督促が来るようになり、
それが3か月続くと、金銭消費貸借契約上の「期限の利益」喪失事由に当たります。
期限の利益とは、期限の到来までは債務の履行をしなくてもよい、
という債務者の利益を指します(民法136条)。

 

これまでは、期限の利益があり、
住宅ローンは期限到来ごとに分割払いすることが認められていたのが、
期限の利益を喪失すると、銀行から一括返済を求められることになります。

 

②代位弁済

銀行から一括返済を求められても、債務者には支払能力はないため、
銀行は、信用保証会社に代位弁済させることになります。
以降の債権回収の担当は、信用保証会社に移ることになります。

 

この段階に入ると、信用保証会社からの厳しい取り立てのほか、
自宅売却を行い債務弁済に当てるように言われます。

 

③競売開始

住宅ローン返済や自宅の任意売却提案を無視し、
半年から1年くらい経つと、いよいよ競売の申立がされ、
不動産登記簿に差押登記がされます。
また、裁判所から「競売開始決定通知」が届きます。

 

④物件調査・公示開始

競売開始が決定されると、裁判所の指示で、
裁判所の執行官がその不動産の現在の状態や権利関係を調査するほか、
不動産鑑定士が不動産の評価を行います。
この調査結果は、後日裁判所で家の外観内装などの写真とともに公開され、
入札希望者が自由に閲覧できるようにされます。(インターネット公開も)

 

また、入札希望者は上記文書を通じて、
実際に現地調査を行うことも許されており、
この段階で、債務者の個人情報が不特定多数に知られてしまうので、
注意しておく必要があります。

 

⑤入札

裁判所の調査が終わると、その不動産の最低売却価格などが決定され、競売手続きに移ります。
競売手続きでは、入札期間などを裁判所が決定の上、公告し、
購入希望者は、入札書を提出します。

 

⑥明け渡し

落札者が落札物件の代金を納付すると、
裁判所が法務局に指示して、落札者名義に所有権移転の登記を行います。
この段階で、具体的に落札者から物件の明け渡し時期を伝えられることになります。

 

競売申立になる前に、まず分納や任意売却の検討を

上記のとおり、不動産競売の流れについて見てみましたが、
競売になってしまうと、個人情報が外部に漏れてしまうことがあり、
また、通常の不動産取引と異なり、売主の引渡義務がないことから、
一般の取引価格より安く落札される傾向にあります。
さらに、競売による弁済までには相当の時間がかかるため、
それまでの遅延利息も債務者が負担しなければならないことも忘れてはいけません。

 

したがって、競売申立というのは、できるだけ回避すべきことがわかると思います。
競売申立を避ける手段としては、まずは返済を続ける努力をすることです。
改めて家計のチェックを行い、無駄な支出がないか確かめましょう。
その上で、住宅ローンの分納や低金利の住宅ローンへの借り換えも検討しましょう。

 

それでも、住宅ローンの返済が難しい場合は、
任意売却という方法があります。
任意売却は、不動産市場で売却することになるので、
より高く売却することができるほか、
競売に比べて、個人情報流出への影響も少なくすることができます。
ただし、競売が申立されると、任意売却できなくなるので、
任意売却を決断するならお早めに。

 

 

2014年4月29日記事作成

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