市街化区域と市街化調整区域とでは、固定資産税は異なるのですか?

固定資産税の話をする前に、
なぜ、市街化区域と市街化調整区域といった、
区域が設定されているのか考えてみましょう。

 

戦後の人口増や高度経済成長によって、
日本の都市は発展していきましたが、
そうした発展の中で、
市街地の無秩序な拡大が起きました。

 

 

 

 

この結果、工場のすぐ近くに家が建って、
公害問題となったり、
公共インフラが整っていないところで、
宅地開発が進んで、居住者が不利益を被ったりして、
それに伴い、行政コストも膨らみ続けていきました。

 

こうしたことから、宅地開発を規制し、
都市と自然が、互いに調和を保ちつつ、
共に秩序ある発展をしていけるように、
都市計画法による規制がされるようになりました。

 

 

 

 

こういった背景事情の中で、
都道府県知事は計画的に街づくりを行なう区域を、
都市計画区域として指定し、
さらに、都市計画区域を、
市街化区域市街化調整区域に区分し、
開発許可制度を創設して、
開発を規制するようになりました。
(なお、どちらも定めていない区域を、
 未線引き区域と呼んでいます。)

 

それでは、両区域の違いを見ていきましょう!

 

市街化区域とは

すでに市街地を形成している区域、
及びおおむね十年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域。
(都市計画法第7条第2項)

 

市街地として積極的に整備するので、
用途地域等を指定し、
道路や公園、下水道等の整備を行い、
住宅や店舗、工場など、計画的な市街化を図っています。

 

固定資産税は、宅地に沿接する道路上に、
路線が敷設されています。

 

農地、雑種地、山林など、
宅地に介在するものも、
基本的に宅地比準して評価されますので、
市街化調整区域よりも、
税負担は重くなっています。

 

市街化調整区域とは

市街化を抑制すべき区域。
(都市計画法第7条第3項)

 

市街化を抑制し、優れた自然環境等を守る区域として、
開発や建築が制限されている区域です。

 

基本的には、家を建てられないので、
土地利用はしにくい状況です。

 

ただし、裏を返せば、
土地利用が難しい=土地評価額も安い
となります。

 

市街化調整区域は、
市街化区域と比べて2~3割ほど、
土地評価額も安いです。

 

また、農地も宅地比準ではなく、
農地の収益価格を元にするため、
㎡単価が数十から数百円ほどの評価額となります。
(山林も同じような価格帯です。)

 

これが、市街化区域農地だと、
おそらく採算は合わないだろうと思います。

 

また、忘れてはいけないのが、
市街化調整区域では、都市計画税が課税されません。

 

これは、都市計画税が、
市街地整備に使われる目的税であるため、
開発をしない市街化調整区域の土地からは、
都市計画税を賦課徴収する必要がないからですね。

 

 

以上のように、
市街化区域と市街化調整区域の違いを、
簡単にまとめて見ましたが、
特に、土地利用・宅地購入を検討されている方は、
安いからと言って、市街化調整区域の土地を、
ろくに調べることもせず、購入することがないようにしましょう。

 

これは、実務であったことですが、
ある土地所有者の方が、
市街化調整区域で農地を営農していましたが、
駐車場にでもして、稼ごうと考え、
農地転用をしてしまいました。

 

しかし、調整区域のような、
人口も少なく、土地需要が乏しいところでは、
駐車場が満車にすることは難しいため、
この駐車場は、採算割れを起こしてしまいました。

 

ここで、この土地所有者は、
別の用途で開発しようとしましたが、
市街化調整区域であることがネックとなり、
どうすることもできなくなりました。

 

このように、「容易に開発することができない」
ということは、それだけリスクがあるわけです。
場合によっては、売るに売れない、
売ったとしても、安く買い叩かれることもありえます。

 

ですので、市街化調整区域の土地を購入するときは、
「安物買いの銭失い」とならないように、
注意しておきましょう。

 

2013年1月28日記事作成

 


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