袋地を所有している場合は、無道路地補正が適用できます。

私の実家は、古い住宅密集地なのですが、周りが家に囲まれていて、袋地になっています。
この場合、固定資産税の評価額は安くならないのですか?

 

上記の図をご覧いただくと、土地⑦は、周りすべてが他人の土地に囲まれており、他人の土地を借りなければ、公道に出ることができません。

 

こういった⑦の土地のことを、一般的に袋地、民法では囲繞地、固定資産評価では無道路地と呼んでいます。

 

今回は、無道路地の固定資産評価方法を詳しく解説するとともに、無道路地で悩んでいる方を対象に、利用及び処分方法についてご紹介しています。

 

無道路地補正の算定方法

さて、上記の図では、土地⑦の所有者は、実際のところ、土地⑥の西側の通路を借りて南側の公道に出ているとします。

 

この場合、土地⑦の評価は、どのように行われるでしょうか?

 

このような袋地に対しては、通常の公道に接した土地と比べて、建築基準法の接道義務を満たしていなかったり、囲繞地通行権の負担があるため、減価補正が適用されます。

 

この減価補正を、固定資産評価基準では、「無道路地補正」と呼んでいます。

 

固定資産評価基準では、下記のとおり、無道路地補正の算定方法について規定されています。

原則として、当該無道路地を利用する場合において、その利用上最も合理的であると認められる路線の路線価に奥行価格補正率表(附表1)によつて求めた補正率、通路開設補正率表(附表9)によつて求めた補正率及びその無道路地の近傍の宅地との均衡を考慮して定める無道路地補正率(下限0.60)を乗じて1平方メートル当たりの評点数を求め、これに当該無道路地の地積を乗じてその評点数を求めるものとする。

 

つまり、簡単に算定式を作ると、下のようになります。

無道路地評価額
=地積×路線価×奥行価格補正率×通路開設補正率×無道路地補正率

 

補正率は、用途地区によって異なりますが、ここでは、普通住宅地区を前提にして算定してみたいと思います。

 

上の図で言えば、奥行価格は、公道から土地⑦の奥行は30mですので、奥行価格補正率0.98となります。

 

通路開設補正率は、公道から土地⑦までの最短奥行から導かれるもので、上の図で言えば、12mとなりますので、補正率0.8となります。

 

最後の無道路地補正率ですが、評価基準では、下限として、0.6を定めております。

 

この補正率の設定は、各市町村長に裁量があるため、一概には言えませんが、通路の有無で差を設けているところが多いですね。

 

つまり、本当に四方取り囲まれていて中に入ることができない場合と、他人の土地を借りれば何とか入られる場合とに分けて、前者の場合の方が補正率を大きくしているわけです。

 

今回のケースでは、現に通路があるということなので、便宜的に、補正率を0.8としておきます。

 

仮に、土地⑦の地積が50㎡とすると、

無道路地評価額
=50㎡×150,000×0.98×0.8×0.8
=4,704,000

となります。

 

普通に公道に接している土地⑥と比べても、37%も減価されることになります。

 

無道路地補正を利用した節税方法

上述のとおり、無道路地補正について、ご理解いただいたかと思いますが、実際のところ、この無道路地補正を、どのように節税に活用していけばよいでしょうか。

 

ポイントとしては、路線価の削除別画地評価です。

 

路線価の削除とは、上の図で言えば、土地⑦へ行く通路に路線価が付設されていないか確認しておくべきです。

 

通常、公道ではない通路には路線価を付設していないので、もし付設されているのであれば、路線価を削除してもらい、南側の公道の路線価を適用し、その上で、無道路地補正を適用してもらえるよう交渉すべきです。

 

次に、別画地評価については、公道に接している土地と画地一体評価となって、無道路地補正が適用されていないケースです。

 

これも上の図で言えば、土地⑦が、土地⑥と画地一体として現況判断され、無道路地補正が適用されていない状態を指します。

 

なお、所有者が別々であれば言うことなしですが、所有者が同じであっても、2筆間に分断性があれば、袋地の単独評価、つまり無道路地補正適用をさせることも可能です。

 

無道路地を所有されている場合、一度、現況と路線価図をよく確認した上で、評価が適正かどうかチェックしてみるといいかもしれません。

 

無道路地の利用及び処分方法

最後に、無道路地の利用及び処分方法についてご紹介します。

 

実は、無道路地は、前面道路に対して接道義務を満たしていないため、住宅などの建築確認が下りないので注意が必要です。

都市計画区域内及び準都市計画区域内では、「建築物の敷地は、道路に2m以上接しなければならない」とされています(建築基準法第41条の2、第43条)

このため、無道路地に家屋を所有している場合で、既存建築物がある場合は建て替えができないため、利活用の方向で考えると、屋内改修などのリノベーションが基本となります。

 

ただし、リノベーションには多額の資金が必要なため、資金が足りない場合はどうすることもできず、放置状態となってしまうという最悪のパターンになります。

 

じゃあ、泣き寝入りするしかないのかというと、実は最近、再建築不可物件を専門に買い取ってくれる業者が増えており、一括査定サイトも利用できるようになってきております。

 

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2013年11月6日記事作成
2021年4月18日最終更新

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