現役FPがおすすめする火災保険を賢く選ぶ3つのポイント

火災保険に加入していると、もしもマイホームが火災などで被害を受けた時に、住宅被害の補償を受けられる大切な保険です。

 

でも、そもそも何も検討せずに、マイホーム新築時のバタバタした時期に、不動産業者などに言われるまま、火災保険に加入して、高い保険料を支払ってはいませんか?

 

そこで今回は、火災保険のことをもっと勉強して、自分の家にとって必要な補償と保険料負担とのバランスの取れた商品を選べるようになりましょう。

 

火災保険の基礎知識

火災保険は、住宅の火災や風水害等を原因とする建物や家財の損害を補償する損害保険の一種です。(建物と家財は補償対象として別個独立しており、建物だけでなく、家財も補償対象に入れておくことが必要です。)

 

また、火災保険には大きく分けて、住居用の建物及び家財に付ける基本的な火災保険である住宅火災保険と、住宅火災保険の補償範囲に加えて、物体の落下・飛来・衝突・倒壊、床上浸水や土砂崩れ等の水災など、住宅を取り巻く様々なリスクに対して総合的に補償する住宅総合保険の2種類があります。(下表参照)

 

火災保険 01
火災保険 02
出典:(一社)日本損害保険協会HP

 

なお、最近は、ご自分の家の種類や環境に応じて、火災保険だけでなく、必要な補償をカスタマイズしたいというニーズが強いため、住宅総合保険を選択される方が多いです。

 

保険金額の設定方法

火災保険は、保険金額を限度として、損害額が保険金として支払われます。その際、保険金額を設定することになりますが、保険金額は通常、保険価額と同額で契約することになります。

 

この保険価額というのは、保険を付けている建物の評価額で、時価となります。しかしながら、この時価は時間の経過とともに、価値が減少していきますので、例えば、新築20年後に、火災で住宅が全焼した場合、火災保険金だけで新築した住宅と同等のものを再築することはできないので注意が必要です。

 

このため、火災保険では、保険金だけで建物を再築したり、損害から完全復旧したりできる価額協定保険特約を付けることや、再調達価額によって補償される新型の火災保険に加入することが大切です。(下表参照)

再調達価額(新価額)とは、同等の物を新たに建築あるいは購入するのに必要な金額をいいます。
時価とは、同等の物を新たに建築あるいは購入するのに必要な金額(再調達価額)から、経過年数や使用による消耗分を差引いた額をいいます。

火災保険の保険金額
出典:(一社)日本損害保険協会HP

 

保険料の算出方法

火災保険の保険料は、地震保険と異なり、損害保険会社が自由に決めておりますが、一般的に建物・家財の評価、所在地、建物の構造、補償内容によって保険料は変動します。

 

例えば、建物の構造は、下記のとおり、建物が柱、壁、屋根などにどのような材料を使い、どのような工法で建てられたかによって、保険料は異なっています。

 

火災保険料 建物の構造
出典:(一社)日本損害保険協会HP

 

なお、同じ建物・家財、同じ補償内容でも、保険期間の長さや保険料の支払方法によって、保険料は異なります。一般的には、長期契約かつ一括払で支払うと一番お得になりますので、覚えておきましょう。

 

火災保険を賢く選ぶ3つのポイント

さて、上記のとおり、火災保険の基礎知識を学んでいただきましたが、次からは具体的に、どのような視点で、火災保険を選んでいけばいいか、解説したいと思います。

 

①補償型(掛け捨て型)の火災保険を選ぶ

火災保険の種類は、大きく分けて、補償型(掛け捨て型)と積立型の2種類がありますが、管理人は補償型(掛け捨て型)の火災保険をお勧めしています。

 

というのも、かつては、貯蓄機能が付加された積立型の火災保険が人気を呼びましたが、昨今のマイナス金利の状況で、運用難が続いていますので、火災保険で資産運用することはあまりお勧めしません。

 

また、積立型の火災保険は満期返戻金がもらえる反面、掛け捨て型に比べて、毎年支払う保険料は割高になりがちです。

 

このため、火災保険は掛け捨て型を選択し、保険料負担を抑えることが大切です。

 

②住宅の種類に応じて補償をカスタマイズする

かつての火災保険は保険会社が提示した補償内容をパッケージ化した商品が主流でしたが、最近、流行っている火災保険は補償の範囲を自由にカスタマイズできるようになっています。

 

ただし、居住している住宅の種類に応じて、加入しておくべき補償内容が異なりますので、よく理解しておきましょう。

 

戸建て住宅

まず、戸建て住宅のマイホームを購入した場合ですが、火災保険は建物と家財両方に補償をかけておきましょう。建物の補償には、本体以外に、建物に付属している門、塀、カーポート及び物置小屋なども含まれます。

 

なお、戸建て住宅については、地理的な環境を踏まえて、具体的な補償内容を検討することが大切です。例えば、河川が近くにあったり、山間部に住んでいて土砂崩れが想定されたりする場合は、水災補償は必須です。また、最近は地球温暖化に伴い、台風が多発し、上陸して広範囲に被害をもたらすことも増えていますので、風災を補償しておくべきでしょう。

 

次に、家財については、家具、家電、食器、衣類などの生活用動産のほか、1点または1組30万円を超える高額な貴金属など(明記物件)が対象となります。

 

明記物件は、契約時に申告して証券に明記しておかないと補償の対象となりませんので、注意しておきましょう。

 

分譲マンション

分譲マンションの場合は、専有部分は自分自身の所有であるため、専有部分の火災保険と家財に加入しておきましょう。なお、共有部分は、区分所有者が共益費という形で間接負担しながら、管理組合が火災保険に加入しています。

 

また、共同住宅では、漏水事故によって、隣人に予想外の損害を与えることもあるので、個人賠償責任保険の特約にも加入しておきたいところです。

 

賃貸マンション・アパート

一方で、賃貸マンションやアパートの場合は、所有者は大家であるため、火災保険は大家が加入し、賃借人は家財だけに火災保険に加入しておくことが一般的です。ただし、賃貸マンションの借家人で注意しなければならないのか、失火時における大家に対する不法行為責任です。

 

実は後ほど解説しますが、失火責任法では、失火した方は隣家に対する損害賠償責任は免れますが、同時に、借家人として賃貸借契約に基づき、賃貸人である大家に対して、退居時における現状復帰義務を負っているからです。

 

このため、失火により部屋に損害を与えた場合に備えて、家財補償に加えて、借家人賠償責任保険を特約で加入しておくことをお勧めします。

 

また、分譲マンションと同様に、漏水事故によって、隣人に予想外の損害を与えることもあるので、個人賠償責任保険の特約にも加入しておきたいところです。

 

③ダイレクト型火災保険を選ぶ

火災保険は、様々な損害保険会社で取り扱われており、どの会社の商品を選べばよいか悩みますよね。

 

通常は、マイホーム購入時に、不動産業者に関係する保険代理店を通じて、大手損害保険会社の火災保険に加入するのが一般的です。

 

しかしながら、保険代理店を経由することによって事務経費分の保険料を余分に負担したり、補償内容についてもどのような住宅にも対応できるように、パッケージ化された商品であることが多かったりと、保険料は割高になりがちです。

 

したがって、マイホーム購入時から長期間、補償内容を見直されていない場合は、インターネット経由で申し込みができて、補償内容を手軽にカスタマイズしやすい、ダイレクト型の火災保険を選択するのがポイントです。

 

最近は、ダイレクト型の火災保険を提供する損害保険会社も増えてきましたが、その中でも管理人がおすすめするのが、ソニー損保の新ネット火災保険です。

 

管理人がソニー損保の新ネット火災保険を支持する理由は、補償内容を自由にカスタマイズでき、保険料負担を抑えられるとともに、再建築価額による補償がされるので、万が一損害を被ったとしても、すぐに元の生活に戻ることができるからです。

 

ソニー損保の新ネット火災保険 補償内容
ソニー損保の新ネット火災保険 再建築価額
出典:ソニー損保HP

 

また、火災保険と合わせて加入することが多い地震保険ですが、地震保険だけで住宅再建資金を工面できなく不安を抱えている方もいらっしゃるかと思います。しかしながら、ソニー損保の新ネット火災保険では、損害保険各社でも取り扱いが少ない、地震危険等上乗せ補償の特約に加入できますので、地震が起きたときも安心です。

 

ソニー損保の新ネット火災保険 地震上乗せ特約
出典:ソニー損保HP

 

(参考)地震保険は加入するべき?気になる地震保険の仕組みを徹底解説!

 

ダイレクト型の火災保険については、今ご紹介したソニー損保だけでなく、損害保険会社から多種多様な商品が発売されています。

 

もちろん、必要な補償をカスタマイズできる商品や、再建築価額による補償が提供される商品もありますので、手軽に一括見積もり依頼できるサイトを利用しながら、補償内容を見直してみてはいかがでしょうか?

 

 

火災保険の気になる疑問

なぜ、火災保険に入らないといけないのですか?
我が国は、国土が狭く、木造家屋が密集しているという住宅事情を反映して、失火責任法という法律で、失火(軽過失)によって、他人の家に損害を与えた場合、損害賠償責任を負わない、とされています。

つまり、他人の家の失火によって、自分の家が損害を被っても泣き寝入りしないよう、自分自身で火災保険に加入しておく必要がある訳です。

火災保険と火災共済がありますが、どちらに加入すべきでしょうか?

火災保険と火災共済の大きな違いは、自分の家に合った補償内容を自由に設計できるのが火災保険で、非営利運営かつ低コストで必要最低限の補償に入れるのが火災共済です。
ただし、最近は火災共済も補償内容が充実してきており、両者の差は小さくなってきていますので、あえてどちらを選択すべきか申し上げると、火災のほか風水害等の様々な損害に対して幅広く補償しておきたい場合は火災保険を、火災への補償だけに特化し、保険料負担を抑えたい場合は、火災共済をお勧めしています。

火災保険料は、年末調整で税金の控除はできますか?

残念ながら、火災保険料は税制上、控除の対象外となっています。かつては、火災保険等を対象とした損害保険料控除がありましたが、平成18年度税制改正により廃止され、現在は地震保険料控除のみ設けられています。地震保険料控除の詳細については、地震保険に関する解説記事をご覧ください。

まとめ

いかがだったでしょうか?

 

火災保険について、改めて保険の仕組みや補償内容を学ぶとともに、自分の家に合った火災保険の選び方もおわかりいただけたかと思います。

 

火災保険は火災被害に限らず、様々な損害をカバーできる保険であり、万が一のときに、住宅被害の復旧費用を補償してくれる大切な保険です。

 

その一方で、どのような家に居住しようとも、必ず火災保険に加入し、長期間にわたって、保険料を負担し続けなければなりませんので、自分の家に合った補償に定期的に見直すことも必要です。

 

一度、お時間があるときでも、ご自宅の地理的環境が抱える災害リスクを再確認したり、実際に災害が発生した場合、どのような損害が想定されるのかシミュレーションしたりしながら、火災保険の見直しを検討してみてはいかがでしょうか?

 


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