【速報】空き家用土地の固定資産税減税は見直しへ

民間の設備投資を促すため、
政府・与党が検討している法律や規制の運用方針案が明らかになった。

 

旅館やホテルなどの耐震性を高めるよう改修を求めるほか、
ビルなどは震災時に消火用スプリンクラーがきちんと動くようにする。
空き家にも適用されている土地の固定資産税を軽減する措置をとりやめることも検討する。

 

自民、公明両党の税制調査会が20日開いた会合で、
関係省庁が投資減税の対象とすべき項目を示した。
政府・与党は9月中にまとめる成長戦略に関する税制改正大綱に盛り込む方針だ。

 

具体的には、一定以上の電気やガスなどのエネルギーを使う企業には、
省エネルギー法に基づいて工場や空調設備などをより優れた省エネ性能を持つ設備に更新するよう促す。
改善が見られない場合は、同法に基づき改修を勧告する。

 

【出典:読売新聞 2013年8月21日付け】

 

このニュースを見て、ちょっとビックリしました。

 

成長戦略の一環として、民間投資を活性化するために、
空き家用土地の固定資産税の減税見直しが行われると。

 

それ自体は、「ムチ」としての政策によって、
遊休地の土地利用を活性化しようというのは、個人的に大賛成ですが、
問題は、どうやって空き家かどうか確認するかということです。

 

この確認方法については、
まだ何も書かれておらず、今後どう肉付けしていくかは、
おそらく、今後総務省のお役人が頭を捻って案を出すことと思います。

 

さて、この土地に係る固定資産税の減税措置とは、
つまり、住宅用地特例を指しているのだと思われますが、
実務的には、住民基本台帳データと、
固定資産税の課税データを突き合わせ処理して、
空き家かつ住宅用地特例適用の課税データを、
あぶり出していくのだろうと予想されます。

 

ただ、この突き合わせ処理というのも、
実は難しい問題があります。

 

なぜなら、土地の地番と住居表示は違うのですか?
という記事においても解説しましたが、
住居表示が施行されている都市部を中心に、
すでに、地番と住居表示は完全に一致しませんので、
この空き家探しというのは、結構骨が折れる作業となりそうです。

 

また、住民票は置いているけれど、
所有者本人は、出張のため別のところに住んでいる場合は、
空き家になるのでしょうか?

 

まあ、小規模の自治体だったら、力技で、
一軒一軒戸別訪問して確かめていくのかもしれませんが(笑)

 

空き家用土地所有者としての対応策

ところで、固定資産税の住宅用地特例というのは、
結構、税額の優遇がされております。

 

この制度については、
住宅用地制度と固定資産税の減額措置においても、
詳しく解説していますが、
適用前と適用後とでは、税額が3~4倍も変わってきます。

 

したがって、空き家放置による税額増加というのは、
あまり無視すべきではないと言えます。

 

この空き家用土地について、
今後、固定資産税の減税措置見直しが行われる場合、
事前の対策として、何ができるか考えてみましょう。

 

①とにかく入居者を入れる

空き家を放置することで、税額が3~4倍となるなら、
いっそのこと、家賃を大幅に下げてでも入居者を増やした方が、
総収支的には、プラスになるかもしれません。

 

減少してきた入居者を再度増加させるのは、なかなか容易ではないですが、
賃貸住宅経営のコツは、入居者の視点で考えることです。
という記事においても参考情報を掲載していますので、是非ご覧ください。

 

 

②いっそのこと空き家を処分してしまう

これからの少子高齢化・人口減少化社会において、
地域全体の高齢化・人口減少がひどい場合は、
個人でできることも限られてきます。

 

その場合は、思い切って、
保有不動産を処分してしまうのも手です。

 

特に、すでに家賃収入と固定資産税を含めた管理経費の収支が、
慢性的に、赤字状態となっている場合は、
早期に対応した方が良いかもしれません。

 

仮に、固定資産税を滞納してしまうと、
固定資産税を滞納した場合の差し押さえについて教えてください。
という記事においても解説していますが、
固定資産税の納税に追われて、資金繰りが厳しくなり、
税金貧乏人生へ転落していくことになりかねませんので、
決断はお早めに。

 

 

③画地認定を、単独から一体に変更してもらう

仮に、空き家用土地を持っていて、
入居者をどうしても集めることができなくても、
その隣地に住宅用地特例が適用された自己所有地があるなら、
その住宅用地特例の恩恵を受けることができます。

 

それが、土地の画地評価を単独から一体へと、
切り替えてしまう方法です。

 

下記の図をご覧ください。

 

 

上の図では、土地所有者が、
空き家用土地と、自宅用土地を所有している状況を表していて、
固定資産税評価では、2筆の土地の間には、
壁が存在することから、別画地評価となっています。

 

今回の空き家の住宅用地特例見直しでは、
おそらく、このような場合、
西側の空き家だけが、非住宅用地となり、
税額が大幅に増加することになります。

 

これは、別画地ゆえに、
このような取り扱いになるのですが、
逆に言えば、それを逆手に取って、
税額増加を阻止することもできます。

 

それが、上記の図で言うところの、
下の図の方です。

 

これは、2筆の土地の間にある壁を取り払い、
空き家を用途変更し、
東側の自宅を母屋として位置づけ、
母屋に付属する倉庫や車庫にしてしまう訳です。

 

または、空き家そのものを取り壊し、
自宅の庭や駐車場にしてしまうのも手です。

 

いずれにせよ、壁の撤去と、
空き家の用途変更によって、
2筆の土地を画地一体評価にしてもらえれば、
西側土地の税額増加を阻止することができます。

 

ただし、この手法は、
複数の隣接土地がある場合だけ利用できること、
空き家の土地面積が大きいと、
住宅用地特例が小規模から一般に切り替わり、
あまり節税につながらない場合があり、注意が必要です。

 

④用途変更し、非住宅用地として活用する

最後の対応案が、
上述の住宅用地特例を活用する案とは逆に、
いわば、政府の政策意図に沿った対応案です。

 

空き家として放置しておくだけで、
税額が3~4倍になってしまうのなら、
積極的に、土地活用してしまうという訳です。

 

コインパーキングにしてしまうか、
店舗や倉庫として貸すことが考えられます。

 

 

以上のように、4つの対応案について考えてみましたが、
どういう制度になるにせよ、
空き家の固定資産税優遇策は終わる可能性が高いので、
当サイトでも、最新情報を提供できるようにしておきますので、
今後の情報については、注意してください。

 

<追記>
平成27年に、「空家等対策の推進に関する特別措置法」が国会で成立しました。
合わせて、空家の固定資産税住宅用地特例制度の廃止が決定されました。
詳細は、下記リンクからご参照ください。
【特集】空家等対策の推進に関する特別措置法について

 

【2013年8月25日記事作成】
【2015年4月5日最終更新】

 


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