「払いすぎ固定資産税の返金、自治体間で差」

最近、固定資産税課税ミスと過誤納金の還付を、新聞等で見かけますよね。
下記の記事は、奈良県下の自治体の対応についての取材記事で、
よく調べられておりますので、参考にご紹介いたします。

 

なお、今後は、固定資産税制度の問題点を啓発する上から、
このニュースコーナーでも定期的に、
自治体の固定資産税課税ミス報道を取り上げる予定です。

 

役所の手続きミスなどで、
市民が払いすぎた固定資産税や都市計画税をめぐり、
奈良県内全12市のうち9市が、地方税法の5年分の還付期限を超えて、
10年から20年に及ぶ返金に応じる内部規定を持っていることが、
「奈良の声」の調査で分かった。

 

法令を超えた納税者の救済策に当たるが、
生駒、大和郡山、桜井の3市は、こうした規定を持たない。

 

住まいや企業用地などの土地・家屋にかかる固定資産税は、
納税者が申告することはできず、
自治体が地価公示価格などをもとに評価して課税する。
膨大な件数を処理する事情などから、評価ミスは時々発生するが、
法令の規定では、5年を過ぎた過払いは納税者に戻ってこない。
このため県内では9市が救済の内部規定を作っている。

 

このうち天理市は、返金の要領を2009年に策定した。
きっかけは、市内のある農地を誤って雑種地として評価し、
96年から13年間にわたり、
固定資産税を取り過ぎていたことが09年に判明したため。
地方税法の規定に従うと、
わずか5年分しか納税者に還付できず、救済策として講じた。
市は税の台帳(名寄台帳)の保存年限である10年間を原則、返金することとし、これを上回る場合でも、
納税者が領収書などで課税の誤りを証明できる場合は、
最長20年分を返すことにしている。
評価ミスの起きた土地は、天理市内の市街化調整区域。
農業が営まれている土地に対して、
市は、法務局の登記簿に搭載された雑種地として評価し、税を取り過ぎていた。
固定資産税は現況で課税するのが原則で、
自治体は現地調査をする義務がある。

 

香芝市も09年に固定資産税の返還金要綱を作った。
きっかけは、別の自治体が小規模住宅に対する税の軽減措置を見落とし、
長年にわたり税を取り過ぎてしまい、
返還訴訟に至ったことを重く見て検討を開始したという。
原則10年、証拠があれば最長20年の過誤徴収に対応できる。

 

五條市は今年4月、同様な内規を策定した。

 

葛城市は04年、宇陀市は06年、それぞれ新市になった年から、
納税者の不利益を補てんする内部規定を設けている。

 

宇陀市によると過去、取り壊された家屋に誤って課税したケースがあった。

 

橿原市御所市も、原則10年の返金規定を持つ。

 

大和高田市は台帳の保存年限の7年分で過誤徴収の返金に対応している。

 

奈良市は91年、全国的にもかなり早い段階に、
地方税法の還付年限を超えた納税者の救済策を作った。
台帳の保存年限の10年の返金を原則とし、
これを上回る年月でも、納税者が領収書などで証明できる場合は、
最長20年の返金に応じる。

 

この20年の規定は、
国家賠償法に基づく損害賠償請求の期限に準じて採用した。
ただ、この内規を市民が閲覧するには、
情報公開条例に基づく開示請求の手続きが必要になる。
もっと簡易な方法で、情報提供が可能な分野であるとみられる。

 

要綱などによる納税者の救済策は、正確には税の還付には該当せず、
あくまで納税者の不利益を財政から補てんするという意味合いになる。
税法によらない支出で、反対や慎重な意見もあるが、
過誤納金に対する賠償を妥当とする判例が出ている。

 

生駒、大和郡山、桜井の3市は、
地方税法の範囲を超えた過誤納金の返金規定を持たず、
仮に市が評価を誤り、納税者が払いすぎた場合でも、
税法の5年分の還付にとどまる。

 

このうち桜井市は、最長20年の返金を視野に、
年度内に内規を作ることを検討している。

 

総務省自治税務局固定資産税課によると、
法の範囲を超えた過誤納金の返金は「奨励していない」とし、
また、この種の要綱、要領が、いくつの市町村にあるか、「数は把握していない」という。

 

固定資産税は市町村の根幹を支えている財源。

 

東京都のみ都税で、23区を一手に徴収し、国内最大の事務量に当たるが、97年、還付不能額の返還等要領を策定した。
都の固定資産税課は
「原則は10年。(領収書などがあれば)20年前までの返還ができる」と話す。
首都圏では横浜市が先例とされる。

 

県内の市部を見ると、こうした内規は増加する傾向といえる。
住民の側には落ち度がなく、
しかも証拠となる台帳が庁内に保存されているような課税ミスでも、
5年分の還付しか応じない地方税法の仕組みに古さはないのか。
議論の余地は大いにありそうだ。

 

 

出典:ニュース奈良の声(2012年8月9日付け)
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